沖縄病院放射線治療科の前本均と申します。

当院の放射線治療はこれまで非常勤医師のみで対応しておりましたが、私が4月から常勤医師として着任致しました。新しく導入された放射線治療装置を活用して、より多くの患者様に最適な放射線治療を提供できるよう努めて参ります。

月~金曜(木曜を除く)まで新患紹介を受け付けています。当院に専門の常勤医師がいない疾患の入院治療についても相談可能です。

ぜひ、当院の放射線治療科へご紹介頂けますようお願い申し上げます。放射線治療の適応などについてもお気軽にお尋ねください。

 高精度放射線治療装置は病変に合わせた形状をミリ単位で調整することで病変にフィットした照射野を形成し、ピンポイントでの治療が可能となりました。IGRT(画像誘導放射線治療)や呼吸性移動対策、正確に病変の位置を合わせるための6軸方向移動可能な寝台も導入されました。これらの新たな機能により正常な組織への線量を抑え、副作用の低減と正確で精度の高い治療が可能となります。

 

~当院の高精度放射線治療装置の特徴~

画像誘導放射線治療(IGRTImage Guided Radio Therapy

当院の画像誘導放射線治療は装置に搭載しているX線装置でKVX線画像を撮影し位置ずれを確認・補正(誘導)することで正確に位置を照合し治療を行います。高精度放射線治療を行うには必須の技術です。

6軸移動可能な寝台

従来、装置は患者さまの位置ずれの補正を4軸で補正を行っていましたが、導入した装置には6軸移動可能な寝台が装備されております。6軸動くことにより患者さまの傾きなど補正できるため、より高精度な位置補正(0.1mm,0.1°単位)で治療を行うことができます。

・呼吸性移動対策

当院は呼吸同期照射法、息止め照射法など、呼吸同期システム(RGSCRespiratory Gating for Scanners)を用いて、CTで呼吸パターンを取得し、治療時に呼吸性移動の影響を受けず、照射する体積を小さくし、正常な組織への線量低減ができます。

 

・定位放射線治療(SRT: Stereotactic Radiation Therapy SBRTStereotactic Body Radiation Therapy
病巣に対してあらゆる方向から放射線を照射することで、線量を集中しピンポイントで照射する技術です。IGRT6軸寝台、呼吸性移動対策の技術を駆使し、より線量を集中することができるので、通常の治療と比べ、正常な組織への影響が少なくできます。

 

FFF:Flattening Filter Free

通常の治療では照射する放射線の線量を平坦にするためにFlattening Filterと呼ばれる金属のフィルターを使用し治療を行っております。定位放射線治療照射など照射範囲が小さい場合、この金属フィルターを使用せず治療を行うことが可能で照射が1/4の時間で治療を行うことができます。

 

以上、当院の放射線治療装置の特徴になります。

最新の放射線治療装置が導入され放射線治療の適応幅が広がりました。

患者様の安心・安全な高精度放射線治療を提供し、患者様と家族の気持ちに寄り添い、安心して放射線治療を受けていただけるように心がけていきます。