肺がんセンター
肺がんセンター
統計からみるがんの現状:肺がんは死亡数の上位
全国のがん死亡数

わが国において死因の第1位である「がん」の中でも、「肺がん」は全国がん死亡数において男性で1位、女性で2位を占めています。

2024年 1位 2位 3位 4位 5位
男女計 大腸 膵臓 肝臓
男性 大腸 膵臓 肝臓
女性 乳房 大腸 膵臓 子宮

出典:国立がん研究センターがん情報サービス「がん統計」(厚生労働省人口動態統計)
全国がん死亡データ(1958年~2024年(asrシート)をもとに作成

がん情報サービス

国立がん研究センターがん情報サービス(外部リンク↗ )

がん死亡数1位は肺
沖縄病院における肺がん治療への取り組み

わが国において死亡数の多い肺がんに対し、当院では専門的な診療体制を整え、患者さん一人ひとりに最適な医療を提供しています。ここでは、当院の肺がんセンター長より、皆さまへのご挨拶と基本方針をお伝えいたします。

肺がんセンター長

我が国において、肺がんは年間約12万人が新たに診断され、約7万5千人が亡くなられており、男女あわせてがんによる死亡の第1位を占める、最も重要な疾患の一つです。こうした状況を踏まえ、国は「がん対策推進基本計画」に基づき、がん検診の推進、診療連携拠点病院の整備、集学的治療の普及などを進め、早期発見と治療成績の向上に取り組んでいます。

当院肺がんセンターには、年間約150~200例の肺がん患者さんが新規で紹介されています。外科・内科・放射線科の専門医が連携し、診断から治療および緩和まで一貫し全ての必要な医療を提供するとともに、多職種によるチーム医療のもと、治療だけでなく日々の生活面のサポートにも力を入れています。また、治療と就労の両立ができるよう、専門の看護師および相談員が支援を行っています。

当センター外科は、県内唯一の日本呼吸器外科学会基幹施設であり、呼吸器外科専門医4名を含む計5名の医師が診療にあたっています。早期肺がんに対しては、根治性を確保しつつ肺機能の温存を重視した縮小手術を積極的に行っています。

一方、これまで手術が難しいと判断されていた局所進行肺がんに対しては、免疫チェックポイント阻害薬を含む術前薬物療法により腫瘍を小さくしてから、隣接臓器の合併切除や肺動脈形成などの高度な手術を組み合わせ、完全切除による根治を目指しています。このような集学的治療により、従来と比べて5年生存率は格段に向上し、さらに、薬物療法が良好に奏効した場合には、再発することなく長期間お元気に過ごされる患者さんも増えています。

今後も当センターは、最新の医療と高度な外科手技を融合させ、地域の医療機関と緊密に連携しながら、肺がん診療の中核として安全で質の高い医療の提供に努めてまいります。

診断からリハビリ・緩和ケアまで一貫した診療体制
一人ひとりに最適な治療の選択肢を

肺がんは、早期発見による根治を目指す段階から、進行期における集学的治療まで、病期に応じた緻密な戦略が求められる疾患です。
沖縄病院の肺がんセンターでは、患者さんのあらゆるステージに対応するため、診断から終末期までを網羅する総合的な診療体制を構築しています。

外科的手術
早期診断と進化した外科療法

早期の肺がんに対しては、迅速かつ精緻な診断を行い、外科的手術による根治を目指します。近年、治療成績を飛躍的に向上させているのが、手術前後に行う薬物療法(周術期治療)です。

当センターでは、免疫チェックポイント阻害剤(ICI)と抗がん剤の併用療法を術前に行う最新の知見に基づいた治療や、遺伝子変異に合わせた分子標的薬の活用などを積極的に導入しています。

これにより、従来の手術単独では再発リスクが高かった症例に対しても、より確実な根治を目指す体制を整えています。

集学的治療
高度ながん総合治療

薬物療法は日々変化しており、手術前の病巣コントロールから、お体に負担の少ない治療薬の選択、長期的な病勢コントロールまで、状況に応じた最適なアプローチが可能です。

個々の患者さんのがん遺伝子パネル検査の結果や全身状態を詳細に評価し、免疫チェックポイント阻害剤・分子標的薬・化学療法などの中から最適な組み合わせを選択します。また、副作用を適切にマネジメントしながら、最新の知見に基づいた「個別化医療」を実践しています。

治療効果を定期的に確認し、状況に応じて柔軟に方針を見直すことで、患者さんのQOLを維持しながら治療を継続できるよう努めています。

放射線治療
負担を抑え、自分らしい毎日を

放射線治療は、身体にメスを入れないため負担が少なく、がんの病巣を効率的に狙い撃ちにする治療法です。近年の技術進化により、正常な組織を避けながら、がんだけに集中して照射できるようになりました。

肺のがんそのものへの治療はもちろん、骨への転移による痛みやつらい症状を和らげる効果も高く、お薬や手術と組み合わせることでより高い効果を目指せます。

治療は状況に合わせて通院または入院を選べるため、仕事や家庭など、日々の生活への影響を最小限に抑えられます。治癒を目指す方から負担を減らしたい方まで、体力を維持しながら「自分らしい毎日」を継続するための確かな選択肢となります。

リハビリテーション
病状や治療段階に合わせた機能回復訓練

当センターのがんリハビリテーションは、単なる筋力訓練ではなく、治療を安全に完遂するための重要な戦略として位置づけています。

術前からの呼吸リハビリテーションによって術後合併症を徹底的に予防するとともに、化学療法や放射線治療中も体力を維持・向上させる介入を行い、副作用による治療中断を防ぎます。

肺がん特有の息苦しさに対しても、専門的な呼吸管理技術を用いて症状を和らげ、患者さんが日常生活を維持できるよう支援します。

緩和医療科の併設
支持療法による全人的なサポート

当院の大きな特徴は、専門の緩和ケア外来・緩和ケア病棟を施設内に併設している点にあります。

緩和ケアは治療の終盤に検討するものではなく、診断直後の不安や治療中の身体的苦痛を和らげるため、早期から導入されます。

万が一、積極的な治療が困難となった場合や、集中的な症状緩和が必要な際にも、転院することなく慣れ親しんだ環境とスタッフのもとで、最期まで切れ目のない全人的なケアを受けることが可能です。

就労継続をサポート
自立した生活を支える診療体制

がん治療中に就労継続について悩む患者さんは少なくありません。治療スケジュールと仕事の調整、体力・副作用への不安、職場への伝え方など、その悩みはさまざまです。

そのような際は、主治医もしくは周囲のスタッフにお気軽にお声がけください。職場向けの診断書・意見書の作成に対応しています。

より専門的なサポートが必要な場合は、就労支援の相談機関やがん診療連携拠点病院の相談支援センターをご案内いたします。

沖縄県の呼吸器外科診療を支える指導的役割と認定実績
専門研修基幹施設

当センターは、呼吸器外科専門医合同委員会(一般社団法人日本呼吸器外科学会と一般社団法人日本胸部外科学会)より認定された、沖縄県内で唯一の「専門研修基幹施設」です

専門研修基幹施設とは、十分な手術症例数、高度な医療設備、そして豊富な指導経験を持つ指導医が在籍していることが厳格に審査・認定された施設です。単に手術を行うだけでなく、次世代を担う呼吸器外科専門医を育成する責任を担う、地域医療の指導的立場にあることを意味します。

当院が長年積み上げてきた臨床実績が評価され、高度かつ安全な外科的治療を提供できる体制が公的に担保されています。今後も県内唯一の基幹施設として、地域医療機関と緊密に連携しながら、患者さんに最先端かつ安心の呼吸器外科診療をお届けいたします。

出典:呼吸器外科専門医合同委員会

基幹施設リスト

呼吸器外科専門医

呼吸器外科専門医は、肺癌、縦隔腫瘍、気胸など、肺・縦隔・胸壁(気管や横隔膜を含む)の病気に対し、高度な専門的知識と手術技術を持つ外科医です。呼吸器外科専門合同委員会が認定する資格で、外科専門医取得後に3年以上の研修と多数の手術実績、試験に合格した医師が認定されます。

沖縄病院の肺がんセンターには以下の専門医が在籍しています。

氏名 所属 職位
河崎 英範 外科 臨床研究部長・手術室部長
饒平名 知史 外科 外科部長
星野 浩延 呼吸器外科 外科医長
仲宗根 尚子 呼吸器外科 呼吸器外科医長

出典:呼吸器外科専門医合同委員会 引用:呼吸器外科専門医名簿

専門研修基幹施設認定書

呼吸器外科専門医合同委員会(外部リンク↗ )

自分に合った病院選びのために
一人ひとりに最適な治療の選択肢を

肺がんは、早期発見による根治を目指す段階から、進行期における集学的治療まで、病期に応じた緻密な戦略が求められる疾患です。
沖縄病院の肺がんセンターでは、患者さんのあらゆるステージに対応するため、診断から終末期までを網羅する総合的な診療体制を構築しています。

沖縄県内における「がん検診」
「要精密検査」と判定されたら

沖縄県では、がん検診で異常が見つかった場合、より詳しい精密検査を行う医療機関の質を確保するため、一定の基準を満たした施設を「沖縄県がん検診精密検査協力医療機関」として公表しています。この基準には、検査体制や専門医の配置、報告の正確性などが含まれており、受診者が安心して精密検査を受けられる環境の整備を目的としています。

当院はその協力医療機関として登録されており、検診で要精査となった方に対して、専門的な検査・診断を提供しています。「異常あり」と言われたまま不安を抱えている方は、ぜひご相談ください。


出典:沖縄県公式ホームページ(外部リンク↗ )

がん診療を行う県内医療施設
「がん診療医療機関」とは

沖縄県では、県民ががん診療を受ける医療施設を選択する際の参考となるよう、手術・化学療法・放射線療法などの治療実績や専門体制に関する一定の基準を満たした医療機関を公表しています。これにより、患者さんが自分の状態や希望に合った施設を選びやすくなることを目的としています。

当院は、2023年度の調査においてその掲載要件を満たしていることが確認され、協力医療機関として紹介されています。地域のがん医療を支える施設として、引き続き診療体制の充実に取り組んでいます。


出典:沖縄県公式ホームページ(外部リンク↗ )

新聞の連載記事に沖縄病院が紹介されました(2026年4月〜6月掲載)
肺がんセンターの専門医が解説
連載記事

沖縄タイムス社 fun okinawa ほーむぷらざ
“家族の健康が気がかりな「ほーむさん」が専門のドクターを訪ね、気になる病気について聞くコーナー”に掲載されました。

沖縄病院の肺がんセンターの専門医がわかりやすく解説をしています。
詳しい内容については、以下よりご覧いただけます。

3名の専門医が解説