1. 肺がんの初期に出やすい咳(せき)の特徴
肺がんだけにみられる特徴的な症状はありません。 肺がんの種類、発生部位、進行度によって症状は異なります。 一方で全く症状がない方も多く、健康診断で偶然発見される場合もあります。
ただの風邪と違う?2〜3週間以上続く咳
風邪による咳は数日で治まりますが、肺がんによる咳は「長く続くこと」が大きな特徴です。 特に2~3週間以上続いている、乾いた咳(空咳)が続くなどは注意が必要です。
咳と一緒に痰(たん)や血が出た!?
咳をすると血が混じった痰(血痰)が出るというのは重要なサインの可能性があります。
強い咳が続いたこと気管支の粘膜が傷ついた、鼻血や歯肉からの出血が混じったなど比較的軽症はケースから、 血痰の色によっても異なり重大な病気が隠れているケースがあります。
- 鮮やかな赤
- ピンクで泡立っている
- 茶色やさびた色
血痰がでる原因は幅広いので、そのまま放置することは危険です。必ず医師に相談しましょう。
おひとりで悩まず相談を
咳や痰などの症状が長く続くと、「何か重い病気なのでは…」と不安になってしまいますよね。 こうした症状は肺がんだけでなく、さまざまな呼吸器の病気で現れるものです。
お一人で抱え込まず、気になることや困っていることがあれば、いつでも当院にご相談ください。 自己判断で放置せず、早めに医療機関を受診することが安心への一番の近道です。
沖縄病院の呼吸器内科には、専門医が複数在籍しています。
受診をご希望される場合は、下記をクリックすると診療時間や曜日を確認することができます。
2. 咳以外にもある!見落としがちな初期サイン
胸・背中・腰の痛みや違和感
咳だけでなく、体の痛みや頭痛などの全身に症状がでることがあります。
原因不明の息切れ・息苦しさ
がんそのものや、進行度や治療の影響などでも症状がでる可能性があります。
- がんが気道(空気の通り道)を圧迫している
- 肺に水(胸水)がたまっている
- 肺炎・肺障害を合併している
- 体力低下・不安や心理的なストレスなど
体重は減っていませんか?
体重減少は以下の2つの原因が重なって起こると言われています。
栄養摂取不足
食欲がない、吐き気がするなどの原因により、食べれないので痩せる状態です。
がん悪液質
単なる食欲不振ではなく、がんの影響で体の代謝が狂い、筋肉や脂肪が落ちていく状態です。
主な原因:がんが引き起こす体内の炎症により、栄養を食べても吸収できず、自分の筋肉を分解して消費してしまうため
主な症状:急激な体重・筋肉の減少、激しいだるさ、強い食欲不振
主な対策:
- お薬での治療
- 少量で高カロリー・高タンパクな食事
- 栄養剤の活用
- 適度な運動(リハビリ)
本人の気力がないのではなく、がんによる体の変化なので、我慢せずご相談ください。
体重減少の目安はあるの?
EPCRCの国際基準に沿うと、がん悪液質の疑い・診断となる体重減少の具体的な目安は以下の通りです。
過去6か月間で「5%を超える」体重減少
- 体重 50 kg の方 ➔ 2.5 kg 以上の減少
- 体重 60 kg の方 ➔ 3.0 kg 以上の減少
- 体重 70 kg の方 ➔ 3.5 kg 以上の減少
元々の体格がやせ型の方や筋肉量が低下している方は、過去6か月間で「2%を超える」体重減少でも注意が必要です。
がん悪液質について知ろう
がん悪液質の早期対応
以前は「がん末期の仕方のない症状」と捉えられがちでしたが、現在では「早期から対処すべき治療対象」として考えられています。
早期に対応することで、以下のようなメリットがあると考えられています。
- 抗がん剤治療などを続けやすくなる(体力・筋肉を維持できるため)
- 日常の生活の質(QOL)を保てる
- 本人のプレッシャーや、ご家族の「食べさせなきゃ」という精神的ストレスが減る
がん悪液質の早期とは?
前悪液質(初期の段階)
- わずかな体重減少(5%以下)や食欲低下、代謝異常が出始める時期
- この段階から治療や対策を始めることが最も推奨されます
末期と勘違いされる理由
最期の段階(不応性悪液質)で非常に目立つ症状(激しい痩せや衰弱)のため「悪液質=末期」と思われがちです。
しかし、実際には抗がん剤治療などを開始した比較的早い段階(前悪液質)から体の内部で始まっています。
「末期になってから諦めるもの」ではなく、「早い段階から発見して、体重や筋肉の減少を抑える治療を行うもの」へと医療の認識が変わっています。
参照:認定NPO法人キャンサーネットジャパン(外部リンク↗ )
3. 実は初期症状が「ほぼない」ケースも多い?
がんを含む多くの呼吸器疾患や生活習慣病は、病気が発生したばかりの段階では、痛いや苦しいといった自覚症状がほとんどありません。 患者さんに正しく知っていただきたい「症状が出にくい理由」と「健康診断の重要性」について解説します。
無症状のまま進行する理由
肺の内部には痛みを感じる神経があまりありません。 そのため病気が発生しても痛まず、周りの正常な組織がカバーしてしまうため、気づかないまま進行してしまいます。
- 「咳や痰(たん)が出ないから大丈夫」
- 「息苦しさがないから健康」
このように感じていても、体の奥では静かに病気が進行しているケースは少なくないのです。
健康診断(レントゲン・CT)で見つける重要性
自覚症状が出てから受診した段階では、すでに病気が進行しているケースが多く見られます。 そのため、症状がないうちに見つける「健康診断」が非常に重要になります。
- 胸部レントゲン検査
- 定期的な検診で広く用いられる基本的な検査です。肺全体をパノラマのように撮影し、大きめの病変や異常の有無をスクリーニングします
- 胸部CT検査
- レントゲンでは骨や心臓の裏に隠れて見えない小さな病変も、ミリ単位の立体的な断面画像で鮮明に捉えることができます。
症状がなくても「年に1回の健康診断」を欠かさず受け、早期発見・早期治療につなげましょう。
詳しい説明については、下記をクリックするとご覧いただけます。
4. 気になる症状がある場合、何科を受診すべき?
長引く咳や息切れなどは、まず「呼吸器内科」へご相談ください。
まずは呼吸器内科へ
咳・痰・息苦しさ・胸の痛みなどは、肺や気管支のトラブル(呼吸器疾患)のサインです。 一般の内科ではなく、専門設備(レントゲン・CT・呼吸機能検査など)が整った 呼吸器内科を受診することで、原因を正確かつスピーディに特定できます。
受診時に医師に伝えるとスムーズなポイント
診察の際、医師に症状を正確に伝えるため、以下のポイントを事前に紙やメモに書き留めてご持参いただくと診察がスムーズです。
- いつから
- 症状が始まった時期
- 何日前、何ヶ月前からなど
- どんな症状か
- 乾いた咳
- 痰が絡む咳
- 階段での息切れなど
- タイミング
- 朝・夜・会話時など
- 症状が出やすい時間や場面
- 背景情報
- 喫煙歴(本数・年数)
- 検診での再検査指示の有無
「この程度で受診してもいいのかな?」と迷う症状でも、お気軽にご相談ください。
